組織と生物の関係

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組織を一つの生命体として捉えると、組織は生物と共通する部分があります。

生命の定義ですが、生物学者のメイナード・スミスは、代謝、増殖、差異の遺伝を伴う自然選択の進化を挙げています。他にも諸説ありますが考察すると概ね次の3つにまとめることができます。

1 新陳代謝(メタボリズム)
2 自己複製(自己増殖)
3 恒常性維持(ホメオスタシス)

簡潔に説明していくと、新陳代謝とは古いものから新しいものを生成し、排出する、これは組織の活動(製品、サービスを生成し提供して、また次の製品、サービスを生成して提供を繰り返す)と捉えることができます。
次に、自己複製(自己複製)とは組織の継承(事業継承の狭義の意味合いではなく、技術や知識、または文化等を含む広義な意味合い)として捉えることができます。
最後に、恒常性維持は組織の前述した2つを一定の状態に保つ作用として捉えることができます。(仮に社会的ホメオスタシスとします。)この社会的ホメオスタシスにマネジメントを活用することになります。

例えば、あるときは20点の製品、サービスを提供し、あるときは80点の製品、サービスを提供するような状態があるとすれば、一定の状態を保っているとは言い難いでしょう。恒常性維持は体内環境を一定に保つはたらきがあるので、ある時の体温は35度である時の体温は40度の状態では機能していないのと同じことです。人間の体は個人別に固有の適温が決まっています。
つまり社会的ホメオスタシスを機能させるには、人間と同じように適温、組織で言えば何らかの基準(適温)が必要になります。先程の例では例えば60点を基準にするということです。ただし、その基準(60点)は新人から経験豊富な方、または最近急増している外国人労働者を含む、言い換えればその組織に従事している全員に対して要求されるという捉え方です。そして、そこにホメオスタシスを働かせることによって人間と同じように活動を維持することが可能になります。