目標設定×脳のはたらき 前編は網様体賦活系(RAS)のはたらきについてでした。
目標を決めると必要な情報が集まるようになるのが網様体賦活系のはたらきですが、
必要な情報と引き換えに、不必要な情報が遮断されるはたらきもあります。これは非注意性盲目と
いわれています。
前回、車(プリウス)の例を挙げましたが、車(プリウス)を購入しようと決心すれば、それに関する
情報が集まるようになりますが、同時に車(プリウス)以外の情報は遮断されるようになります。
なぜなら、脳がそれ以外の情報は不必要と判断するからです。
人間の脳はすべての情報を保存できません。
その時に必要な情報だけに注視することによって情報を振り分けているのです。
網様体賦活系と非注意性盲目は互いに相互作用し合う関係と捉えることができます。
つまり、人間の脳は自分が関心や興味があることに注視するようできていて、関心や興味のないことには
注視しないはたらきがあるのです。しかし、私達は時間の経過やその時の状況により、関心や興味自体は
変わっていきます。組織の目標設定も同じで、定期的に更新しない限り、いつまでも同じことだけに注視
し、その以外は遮断されることになるのです。